2009年08月19日

ドクター・ストップ

何回か書いてますが、
カイラス山コラのクライマックスであるドゥルマ峠越えの前日に
私はハンサム・ドクターから「明日の朝、酸素量が60%を切ってたら君は峠は越えられないよ。」
と言われていた。

そして、ドクターから渡されたのはちっこい、ちっこいお薬。
「これを午前1時に飲みなさい。」

意外と難しいんだよ、ソレ。
目覚まし無いし、電気無いところだし。


高山病には苦しんだけど、私の予定にドゥルマ峠越えをしないというのは無かった。
いざ、リタイアを現実に突きつけられるとなかなかツライ。

ので私は考えた。

こういう時は、この執着を手離して神を信じることが出来た者がドゥルマ峠を越えられるんだ。
大体、物語ってそんなパターン!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でもどうやって?

頭で分かってる事と実際に行動出来るかどうかはずいぶん違う。
口では簡単にあきらめたとか気にしてないとは言える。
でも、私の気持ちは本当についてきてるのか自分では分からない。

が、チベットは厳しいところ。
結局私に出来る事は午前1時に薬を飲むことくらい。

寝床を整えて枕元に水筒、本体だけになった腕時計、懐中電灯、懐中電灯の電池がスグに切れるので替えの電池、そしてお薬。


出来る事は終了。
就寝だ。


フッと目が覚めた。
時計を見ると0:10。

過ぎてない。よかったface01

うとうとして次に起きたのが0:30。
さらにうとうとして次に起きたのが0:50

もう、寝なきゃいいや。
そうして1:00に私はお薬を飲んで自信満々に就寝。

無問題だねicon22


翌朝の酸素量は62%

無問題だねicon22icon22

自信満々だった私ですが、
朝食後にあっさりリタイア宣言されてしまいました。
いくらなんでも酸素量が少なすぎるという事。

60%越えたじゃん~っ!!


でも、決めるのは私じゃないしね。
ちょっと転がって暴れてみようかと思いましたが止めときました。

出来る事はしたしね、仕方が無い。
戻って、チベット式カップラーメンを食べるのを目標にしよう。
肉入ってるけど、この際いいか。

が、実はこの時もあまりドゥルマ峠越えをしないと言う気はしないまま・・・。
実感がわかなかっただけでしょうか?

酸素少ないからね。
あんまり考えられないし。


そして、そんな私に救いの手が・・・icon12


でも眠いので今日はこの辺で。